Top Page › 読書の感想 › パトリシア・ウィルソン › ◆『初めてのときめき』パトリシア・ウィルソン

2012 · 03 · 01 (Thu) 16:21

◆『初めてのときめき』パトリシア・ウィルソン

◆『初めてのときめき』パトリシア・ウィルソン(ハーレクイン)
 父を亡くしたセーラは、彼の最後の願いを叶えるため、フランスに渡った。父の20年来の愛人セリーヌに会うのだ。二人は心から愛し合っていたが、結婚には至らなかった。セリーヌの息子アルマンは母が愛人の娘に会うことを反対し、セーラに対しても冷たく当たる。("Burden Of Innocence" by Patricia Wilson, 1994)

 ヒーローとヒロインのロマンスについてはありがちなすれ違い話なのですが、出会いのきっかけがちょっと変わっている。
 愛人同士の子同士が、というのは割とあると思うのですが、二人とも親に対しての反感はない。ヒーローは不倫に関してではなく、ヒロインをフランスへ来させることに難色を示していた(ちょっとした企みがあったので)けど、ヒロインに至ってはセリーヌの優しさをすぐに受け入れる(実母が冷たかったから)。泥沼の後始末を子供に押しつける親が多いハーレとしての珍しさです。
 それは親たちが、子供たちに絶対バレないように気をつけていたから。彼らを傷つけないような配慮を子供たちが受け入れるのは自然なことだと思うけど、読み手にとってはあくまでも「不倫」なので、地雷の人もいるかもね。
 ヒロインは少し世間知らずで純真なお嬢さん。その上、鈍感。はっきり言わないとわからないのに、ヒーローは妙にはぐらかす。でも、いくら受け入れたこととはいえ、ここでやはり親たちの「不倫」がためらいの鍵になっている感じがありました。自分たちとは関係ないとはいえ、理屈じゃない感情が片づくタイミングっていうのがあるよね。
 ここら辺、丁寧に描いていると思いました。でも、丁寧さ故の地味感が惜しいかな……。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

Comments







非公開コメント