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2012 · 03 · 03 (Sat) 09:36

◆『百合の女』インディア・グレイ

◆『百合の女』インディア・グレイ(HR by HARLEQUIN)
 親友の恋人が主催した仮装舞踏会で、リリーはトリスタンに出会った。影のある彼の「今夜は一人になりたくない」という言葉に誘われ、リリーは一夜をともにする。だが、二ヶ月後、思いがけなく再会したトリスタンは、よそよそしく冷たかった。あの夜に命を授かったリリーは、子供以外に望むものはないはずだったが──。("Spanish Aristocrat, Forced Bride" by India Grey, 2009)(※旧タイトル『スペインの侯爵』)

 結局、HR by HARLEQUINの創刊本は全部読んでしまったなあ。
 一押しはジェニー・ルーカス『ルチア フェラッツィの娘』なのですが、これもよかった。かわいそうなんだけどね。
 ヒーローは銀行一族の御曹司なんだけど、父親がテロリストもどきにまで融資するような人で、家族に対しても妻をアルコール依存症、長男を自殺にまで追い込んでも何とも思わない。
 爵位に対する責任(父親の言い分ですが)や仕事の重圧などから、末っ子の弟を守ろうと盾というか、ほとんど自分を犠牲にしている。テロリストに破壊された村を再建したりしているけど、偽善と言われることはわかっているから、隠れ蓑にマスコミ向けの仮面もかぶる。
 お金持ち故の地獄みたいなものを、全部背負ったようなヒーローです。自分の感情を押し殺すことでずっと生き延びてきたような人なので、ヒロインに優しくすることができない。

「俺なんていない方がいいんだ(;`ω´)」

 みたいなやせ我慢をして、ヒロインのお腹の子供を助けることができず、さらなる悲劇まで招いてしまう。
 かなりいじめ抜かれます(作者にね)>ヒーロー(´ω`;) そしてヒロインも。心身ともに悲しく切ない想いばかり。ハーレはけっこう、つれない態度を取ろうとしても失敗するヒーローが多いけど、この作品ではほんとに冷たいからなあ。見た目は、ですけど。
 泣けるロマンスがお望みならば、ぜひ。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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