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2012 · 03 · 10 (Sat) 19:53

●『伯爵の情熱は海をこえて』ロレイン・ヒース

●『伯爵の情熱は海をこえて』ロレイン・ヒース(オーロラブックス)
 1880年、ロンドン。レイヴンリー伯爵の継娘ローレンは、テキサスでの初恋の相手トム・ウォーナーと再会する。10年前、母に連れられ英国へやってきたローレンは、手紙をくれないトムの仕打ちに悲しみ、せめてなつかしいテキサスへ帰ろうと計画していた。その彼が、実は伯爵だったなんて──。("Promise Me Forever" by Lorraine Heath, 2006)

 評判どおりの面白さでした(´д`*)。コミックも買おうかな。
 ロレイン・ヒースはアメリカ(テキサス)人の父とイギリス人の母の間に生まれたとのこと。テキサスを舞台にしたものと英国を舞台にしたもの、両方読みましたが、テキサスの方がヒーローを過酷にする傾向があるようで。この作品は両方が舞台です。シンプルな話ですが、おいしいとこどりという感じ。
 ヒーローは、英国人でありながらアメリカに置き去りにされ、自分一人の力で(ヒロインを迎えに行くために)牧場を手に入れたと思ったら、
「本当はサクシー伯爵だから、英国に戻ってきてくれ」
 と言われて、ほぼ( ゚д゚)ポカーン状態。英国人なのかアメリカ人なのか──アイデンティティが崩れそうですね。これはこれで過酷だ。
 一方ヒロインは、テキサスへ帰るために隠れてバイトしてお金を貯めている最中。二人の文通が成立しなかったのは、ヒロイン母のせい(これをひっぱる展開じゃなくてよかった)。あまりヒーローのことを、よく思ってなかったんだよね。
 でも、彼はほとんど10年間、毎日手紙を彼女に向けて書いていた。ヒロイン母が捨ててしまったそうだけど、彼は文面を憶えていて、ラスト近くにそれを彼女へ聞かせるシーンが泣かせます。
 ヒーローヒロインともに失った10年をすぐに受け入れることができず、今の自分の気持ちがよくわからなくなってしまう。二人の幼い恋は短く、お互いのことを何も知らないということにも気づく。上流社会になじむための苦労から、いやでたまらなかったロンドンでの暮らしを続けたくないヒロイン。彼女の帰国を止めたいと思いながらも、立場がよくわかるから強く言えないヒーロー。
 でも決して離れていた10年が無駄ではなかった、と最後には気づく。ここでほっとしたなあ。
 それにしても一途な男だった。エピローグの最後の最後まで。過酷な運命を与えられるロレイン・ヒースのヒーローは、正しい一途さを持っていると思うよ。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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