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2012 · 03 · 24 (Sat) 13:30

◆『恋人はスパイ?』リリアン・ピーク

◆『恋人はスパイ?』リリアン・ピーク(ハーレクイン)
 優秀なタイピストであるアリシアは、ボーイフレンドからの別れの手紙に涙しながら、街を歩いていた。ホテルのレストラン前にたたずんでいた彼女に声をかけたのは、務めている会社の社長トッドだった。彼は雨に濡れたアリシアを部屋に招き、食事をごちそうしてくれる。次の日から、彼女は社の機密文書をまかされるようになるが、なぜかトッドの視線が日に日に冷たくなる──。("A Secret Affair" by Lilian Peake, 1982)

 非常にクラシカルな訳文でした。
 たとえば、こんな感じ。

「下に来て仕あがりを見ませんか?」
「邪魔をしないようにとのご命令じゃありませんでしたかしら。ですからお受けできませんわ」
「引っ越し祝いにご招待申しあげてるんですがね」
「なんですって? 今すぐにですの?」


 青い字がヒーローですけど、なぜか若い頃の森繁久彌の声で再生される……(個人の感想です)。では、ヒロインは原節子で(安易なキャスディングだ(^^;))。
 上品な口調にごまかされそうですが、ヒロインはちょっと優柔不断です。機密文書をまかされているのに、野心家でいいかげんな同僚(男性)の無理な頼みごとにいやと言えない。結果、機密を漏らしている犯人としてヒーローに疑われてしまう。
 自分の迂闊さを「BFにふられた淋しさから」みたいな言い訳をしているところや、手ぬるい対応を「優しさ」のように処理しているのが、気になりました。こんな同僚、信頼できないと思いながらも、押しの強さに逆らえない。危ういです。結婚したあとこんな男に迫られたら、きっぱり断れるんでしょうか? 不安だ……。
 クラシカルな訳文と相まって、ロマンスというよりメロドラマのようでした(´ω`;)。いえ、こういう文も好きなんですけどねえ。
(★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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