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2012 · 04 · 10 (Tue) 21:17

◆『ハッピー・イースター』ステラ・キャメロン

◆『ハッピー・イースター』ステラ・キャメロン(ハーレクイン文庫)
 病院付女性牧師であるブライアーは、心臓病で入院している富豪オーガストに呼び出され、いつもの憎まれ口を聞いていた。そこへ現れたのは、心臓外科医のドミニク。彼はブライアーを病室から追い出し、患者の安静について説教を始める。牧師の仕事を軽んじるドミニクの発言の中に、ブライアーは信仰に対する強い拒絶を感じる。("A Man For Easter" by Stella Cameron, 1992)

 イースター──復活祭について、私は何も知りません……(´・ω・`)。(別の宗派だと今年はもうちょっとあとらしいけど、一般的には4/8だったのかな?)
 クリスマスやハロウィンのように(日本で)「お祭り」として定着していませんし、具体的に何をするかもわからない……。イースター・エッグ? 何それおいしいの? みたいな。
 けど、どうも子供たちが楽しみにしているお祭り、というのは何となくわかる。
 ヒロイン(女性の牧師というのもなじみないですね)は小児科病棟でイースターのパーティーを開きたいけど、予算がない。ついでに言うと、チャペルもボロボロなので改修したい。ヒーローは財務委員会に所属しているから、協力してくれないかみたいな話になっていくのですが、けんもほろろに断られる。彼には信仰心がない。神なんか信じない。
 なぜなら、神は一番大変だった時に、家族を助けてくれなかったから。
 富豪じいさんは、自分の貴重な蝶の標本を賭けて勝負しないか、と二人に持ちかける。ヒーローは心臓外科の研究機関、ヒロインはチャペルの改修費用のために。
 でも、話はそれが中心に回っていくんじゃないのね。じいさんは二人を引きあわせたようなものだけど、賭けに必死になることはない。ヒロインはDV被害にあった女性を居候させているけど、そういう社会活動の方向にも傾かない。要所要所の効果的なアクセントになっている。
 二人とも対立しているようで、惹かれ合ってもいるけど、なかなか素直になれないというか、とても不器用に少しずつ近づいていく。そのゆっくりした展開の中に、たまにシビアなことや切ない出来事が入ってくる。
 イースターの意味をもっと知っていれば、また味わいが変わったかもしれないけど、知らなくても充分楽しめました。派手な起伏はないけど、読ませる。ヒーローは人となるべく距離を取りたがる自分に目を向けない頑な性格だけど、傲慢ではない。仕事一筋でいつの間にか30歳のヒロイン故の引け目とかも、とてもリアル。
 実に私好みのお話でした(´д`*)。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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