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●『侯爵の甘く不埒な賭け』ロレイン・ヒース

●『侯爵の甘く不埒な賭け』ロレイン・ヒース(扶桑社ロマンス)
 1888年、英国。近代化の波に乗り切れず、財政難に陥る貴族の中にファルコンリッジ侯爵マイケルもいた。長年の借金苦から抜け出すため、またある目的のために、彼は自分自身を競売にかける。貴族と娘を結婚させたい富豪アメリカ人の中でマイケルを競り落としたのは銀行家のローズ。ローズの次女ケイトと結婚した彼は、愛を求める彼女の要求に彼なりに応えようとする。("Just Wicked Enough" by Lorraine Heath, 2007)
・〈悪党と薔薇 "The Rogues & Roses"〉シリーズ第2作



 前作『公爵の危険な情事』に続き、働いたら負けと思っている貧乏貴族の起死回生の物語。
 面白いんだけど、あと少し、あと少しで萌えるのに!(´Д`;) という隔靴掻痒な気分で読み終わりました。
 何でだろう、けっこう好きな設定なのに……。ヒロインには何も知らせず、互いに売り買いされるように結婚し、ビジネスと割り切ろうと思うヒーローと両親にも夫にも腹を立てているヒロイン。
 結婚しなければヒロインは両親から自由になれない。彼女の母には、どうしても娘たちと貴族を結婚させたいという執念がある。病的なくらいです。いや、ほとんどそうなんだけどね(´・ω・`)。
 結婚して財布の紐を握ったヒロインに対して、ヒーローが複雑で、ある意味卑屈な感情をぶつけたくなるのもわかる。二人の間には、常に金の問題が横たわり、当然あかしにくい秘密もある。
 こんな状況で結婚するなんて──と思うけど、時代時代で結婚の形は違うし、こういうのの方がうまくいく場合もあるし、恋愛結婚だからって添い遂げられるわけはない。
 この作品のように、妻も夫もひどく傷つく方法でむりやり結婚してもハッピーエンド、というのは現実にもありえるのですが、だからこそなんだかしっくり来ないというか、モヤるというか──。
 金、という生臭いものが間にあるからねー。究極の現実ですよ。それとロマンスの兼ね合いはいつも難しい気がする。
 まあつまり、

「お金ないなら、働けよ(゚Д゚)ゴルァ!!」

 とヒーローについ言いたくなっちゃうんだよね。ヒロインだって、自分の金じゃないじゃん、とかさ……。
 でも、一番いやだったのは、ヒロインの両親だなー。決して悪人ではない、という描き方が巧みだっただけに。
 二人とも自分の気持ちを隠しすぎたり、義務や役目に縛られ続けたきらいがあるので、何を選んでも、

「それが本当の気持ちなのか?」
「周りの人間に振り回されていないか?」


 という小さな疑問が頭のすみにある──そんな感じで読んでいたように思います。
 あと、前作での二人の印象をほとんど憶えていなかったというのもちと残念だった(´・ω・`)。読み返す機会はあるかな……?
(★★★☆)
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genre : 小説・文学

tag : ヒストリカル 扶桑社ロマンス ★★★☆ シリーズ

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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