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□『ダークナイト ライジング』

『ダークナイト ライジング』"The Dark Knight Rises" 2012(7/28公開)
 ゴッサム・シティーからバットマンが消えて8年。ブルース・ウェインは身も心もボロボロになり、隠遁生活を送っていた。ハーヴィー・デントの名を冠した法により犯罪者は次々と捕らえられていたが、街は奥深くで病み、そこからテロリストのベインが現れる。彼の地下基地にいち早く飛び込んだゴードン本部長は傷つき、ブルースに訴える。「今こそ闇の騎士(ダークナイト)が必要だ」──。(監督:クリストファー・ノーラン 出演:クリスチャン・ベイル、ゲイリー・オールドマン、トム・ハーディー、アン・ハサウェイ、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン他)



 いやー、もう──恐ろしく面白かったです……。
 上映時間、なんと165分。2時間45分ですよ。『ダークナイト』より長いのよ!
 でも、短いとまではさすがに言えないけど、全然長くなかった。無駄がなく、一瞬も目が離せないまま終わってしまった……。
 至福の映像体験だった(´Д`*)。
 映像だけでなく、物語の作り方やセリフ、キャラクター一人一人(ジョセフ・ゴードン=レヴィット(・∀・)イイ!!)も極上で、先を読んだり伏線を勘ぐったりする余裕がない。ミスリードもものすごく上手で、私は何回、

「Σ(゚Д゚;)エッ!」

 と声なき叫びをあげたことか。
 一作ごとにすごくなっていく気がするよ、クリストファー・ノーラン。
 彼のバットマンシリーズ(三部作)は、テーマが非常に重い。人間の善と悪の境目──そのグレーゾーンを描いていく。あと、人間の心理を巧みに突く悪役を登場させるのもうまい。
 今回も悪役のベインは、

「街を金持ちから奪い返そう! 俺は解放者だ!」

 と市民に呼びかける。抑圧された空気の中で、その言葉はよく響くのです。彼を義賊のように崇める者がいたって不思議ではない。
 観客はもちろん、ベインの意図がわかっているんだけど、それでも彼からの選択を迫られているような気分になるんだよね。しかも、どっちを選べばいいのかわからない、という不安感にいつの間にか囚われてしまう。善と悪、どちらにでもなる可能性への恐怖が、ドラマ性を高めていく。
 その時はよかったと思ったことが、何年もたって間違いだとわかったり重くのしかかったりというのは、現実には毎日のようにあることだけれど、そういうものをより大きくどんでん返しのように展開していく緻密なストーリー運びに感心しました。
 すっかり物語に入り込んでしまったので、ラスト寸前のアルフレッド(マイケル・ケイン)の涙にもらい泣き。これはこれでいいんじゃないか、と思ったら、そのあとの怒涛の展開に圧倒されました。最後の最後にあんな──あんな……いや、いくらネタバレレビューと言っても、これは言えねえ(´Д`;)。
 とはいえ、今回ほとんどネタバレはしていません。書ききれないよー、あんなにさー。
 全部言えというのなら、最初から最後までずっと書くことになっちゃうよー。そんな長文、書くのも読むのも疲れるデショ(´・ω・`)。
 でも、「その時はよかったと思ったことが~」というのは、その逆もあるわけで。

 バットマンシリーズを見ていなくてこれから「見たい!」という人は、ぜひ『バットマン ビギンズ』と『ダークナイト』で予習してからどうぞ。そのままだとけっこうわからないところがあると思います(`・ω・´)キリッ!

[8/1追記]
 昨日考えていたこと。
 ブルース・ウェインはこの作品で二度ほど半死半生の状態になる。冒頭のひきこもり状態と、後半。まったく違う状況だけど、同じでもある。
 グレーゾーンというものは、閉塞や腐敗や必要悪や恐怖を生むけれど、それだけじゃない。
 何がどこでどう生まれようと、生まれたことには意味がある。
 それを知ったブルースの思いと行動には、根源的に感動できるものがある。
 でも、ああ……うまくまとめられないー。
(★★★★★)
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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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