09
1
2
3
4
5
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
   

▽『シンデレラの罠』セバスチアン・ジャプリゾ

▽『シンデレラの罠』セバスチアン・ジャプリゾ(創元推理文庫)
 わたしの名前はミシェル・イゾラ。歳は二十歳。わたしが語るのは、殺人事件の物語です。わたしはその事件の探偵です。そして証人です。また被害者です。さらに犯人です。わたしは四人全部なのです。いったいわたしは何者でしょう?("Piege Pour Cendrillon" by Sebastien Japrisot, 1962)



 リン・グレアムの新刊(「シンデレラ」とつくと何となく)と見まごうようなタイトルですが、ベストセラーになったフレンチミステリーの新訳版です。
 冒頭の文はあらすじではなく、あとがきによれば原書に書かれている内容紹介(キャッチコピー)だそうです。これは旧訳版にもあったので、私もよく憶えている。ものすごくワクワクする文章で、これが有名だっただけに、私自身は当時読んだかどうだかよくわからなかったのですが──。
 結論から言うと、読んでいなかった(もし読んでいたとしても、これだけ何も思い出さなかったら読んでいないも同然)。
 それに、私が予想したラストとは違っていたし。
 書こうとしていたあらすじは、こんな感じでした。

 二十歳のミシェル(ミ)は、大金持ちの伯母を亡くしてまもなく、大火事で顔と両手を焼かれ、頭を打ったため記憶喪失になる。皮膚移植と整形手術で美しい顔を取り戻すが、記憶は戻らない。火事のあった屋敷にはミの幼なじみドムニカ(ド)も滞在していたが、彼女は亡くなっている。記憶をなくしたままのミは、詮索するような後見人ジャンヌから離れ、一人ホテルへ逃げこむ。その時、自分の書いた名前を見て愕然となる。

 彼女はドの名前を台帳に書き込んでいたのです。あまりに自然に書き込んだので、

「私は、もしかしてドなの?」

 と思うようになる。
 今の時代ではDNA鑑定がありますからこのトリックは成立しないし、顔と手を都合よく焼けないって場合もあるだろうに……。しかもその上に記憶喪失。往年のミステリの王道を全部乗せたような作品。
 何にせよ、それだけ伯母さんの遺産は莫大だったということです。こういう人間の欲だけはいつの世も変わらない。
 確かに古いけど、それをちゃんと踏まえて読めば、非常に面白い。フランスが舞台というだけでも雰囲気が違う気がするんだけど(単純>私(´ω`;))。パリやニースやフィレンツェといった華やかな土地が出てきて、登場人物は豊かな生活をしていても、心はカサカサに乾いている。
 そのくせ動機もお金だけではないし、誰もまともな感情を持ち合わせていないのかと思えば、意外な伏兵として出てきたり……。
 合理的な解決や衝撃的な動機というラストではなく、こういう結論が出しにくくてジワジワ来る物語の方が私は好きです。一人称と三人称や視点の混在は、意図的に使えば使うほど、そしてうまければうまいほど燃える(萌える、ではなく(^^;))。ミステリーに限らずね。
 でも、私が考えたラストになるとばかり思ったのですが……それなら、あの最初の章は何なんだ。幼い頃の衝撃的な出来事って、アレじゃないのか?
 そこも何か仕掛けがあるのかな、ついつい考えてしまいます。けど、はっきり書いてないし、何にも関係ないのかね……(´・ω・`)。
(★★★★)
web拍手 by FC2

theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : ロマンス以外 創元推理文庫 ★★★★

Secret

文字を大きく・小さく

    Twitter&ランキング



    いつもありがとうございます♪


    書評・レビュー ブログランキングへ

    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
    にほんブログ村

    最新記事

    カテゴリ

    ユーザータグリスト

    最新コメント

    最新トラックバック

    リンク

    RSSリンクの表示

    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    メールフォーム

    名前:
    メール:
    件名:
    本文:

    検索フォーム

    English Translation

    English English得袋.com

    アンケート

    QRコード

    QRコード

    FC2カウンター

    カレンダーと月別アーカイブ

    プルダウン 降順 昇順 年別

    08月 | 2019年09月 | 10月
    1 2 3 4 5 6 7
    8 9 10 11 12 13 14
    15 16 17 18 19 20 21
    22 23 24 25 26 27 28
    29 30 - - - - -


    プロフィール

    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
    ★★★★からがおすすめです。
    くわしい注意書きは→コチラ
    リクエストは→コチラ

    最近読まれている記事

    ブログパーツ

    最近の拍手ランキング

    人気の記事

    本ブログ村PVアクセス

    ユーザータグ

    ロマンス映画 ★★★☆ シリーズ コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ★★★ ライムブックス ヒストリカル ★★★★ ★★★★☆ ★★☆ 扶桑社ロマンス 新潮文庫 サスペンス/ミステリ 資料用 ロマンス以外 角川文庫 ★★★★★ ハヤカワ文庫 マグノリアロマンス フローラブックス 創元推理文庫 集英社文庫 パラノーマル アンソロジー 二見文庫 ヴィレッジブックス ★★ MIRA文庫 ランダムハウス講談社 ラズベリーブックス その他の出版社 ★☆ ソフトバンク文庫 サンリオ 文春文庫 ラベンダーブックス ラベンダーブックス(幻冬舎) オーロラブックス(宙出版) 講談社文庫