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▼『真夜中の男』リサ・マリー・ライス

▼『真夜中の男』リサ・マリー・ライス(扶桑社ロマンス)
 インテリアデザイナーのスザンヌは、自分のビルの新しい借主、警備会社社長のジョン・ハンティントンと出会う。ひと目で危険な男とわかるジョンは、スザンヌへの欲望も隠そうとしない。だが、彼女には気づかぬうちに危機が迫っていた。("Midnight Man" by Lisa Marie Rice, 2003)
・〈ミッドナイト〉シリーズ第1作



 ロマンスにハマってから比較的初期に読んで、いろいろな意味で衝撃を受けた作品です。大好きな〈ミッドナイト〉シリーズの一作目(やっと既刊の三作、読み返せた)。
 再読してもその個性的な作風は抜きん出ている。彼女の作品は、けっこう似通っているといえばそのとおりなんだけど、それは彼女にしか書けない、他の人が真似できない世界があるから許されていることなんだなあ。
 この作品の主人公は、確かにヒロインのスザンヌなんだけれど、作品の世界を作っているのはヒーローのジョンで、ヒロインは主人公というより彼の世界の核なんだよね。
 ロマンス小説は基本的に女性の気持ちを描くものだと思うんだけど、リサマリはヒロインに会って今までの自分をひっくり返されたヒーローが、新しい感情を抱くたびに陥る混乱と過剰な保護本能から来るツッコミどころ満載の行動や妄想を書きたかった、今でも書きたい、そして読みたい読者がいるっていうことなんじゃないか。
 再読の今回は、かなり冷静にツッコミながら読みましたよ(^^;)。50ページも行かないうちに、

 このビルはどうにかなったのか? 全体がスザンヌの匂いがするじゃないか。

 という文章にまず「ちょっと落ち着け(´∀`;)」と。
 その後も、デートでのおいしい食事をヒロインに食べさせずにセクハラ三昧とか、ヒロインが昔つきあった相手を心の中で変態呼ばわりしたりとか、さんざん「優しいセックス」をシミュレーションし倒すけど実際は全然できないとか。
 恐竜と自分を比較するところなんて、
「いったい何を言ってるの、この人は?( ゚д゚)ポカーン」
 となるくらい。
 そして極めつけは、彼に「レンガ社長」というあだ名がついた最初のキスシーン。優しいキスをするために、

 ジョンの大きな手は、こぶしが白くなるほどレンガの壁を強くつかんでいて、動かすとぱらぱらとレンガの粉が床に落ちていったのだ。
 レンガを砕いてしまうほど、必死に壁につかまっている。


 強烈なシーンだよね(^^;)。
 でも彼、こういうのを「失敗」と自覚していて、ずーっと反省している。
「次、次こそちゃんとやる!(`・ω・´)」
 と何度も決意しては、ヒロイン前にすると忘れてまた失敗。の、くり返し(´ω`;)。最初びっくりしていた彼女が、そのうち慣れて優しく受け入れてくれるもんだから、うれしくてますますとっちらかる。
 けど、このようなコメディとも読める状況とか、激しいHOTシーンだけが売りじゃないと思うのです。ヒロインがヒーローの隠れ家に連れていかれた時がちょうどクリスマスだったから、ささやかなお祝いの宴をできる限り用意する、といった心温まるシーンとかとてもいいんだよね。ヒーローの静かな喜びようが泣ける。
 改めて、リサマリのこういうところが好きだ。殺人事件に巻き込まれて二人が別れなくちゃならないところは、HOTシーンなくてもいいのに、と思うくらい。そしてやっぱり、

「ね、逃げよう。二人で逃げようよ!( ;Д;)」

 そう言うヒーローを振り切る強さがヒロインにある。ロマンスのふりしているけど、こういう強い核を手に入れる男の物語じゃないかな。
 これを読んだあとは、証人保護プログラムを扱った他のリサマリ作品を読みたくなる。続編気分で。全然違うものだけど。
(★★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : サスペンス/ミステリ 扶桑社ロマンス ★★★★ シリーズ

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
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