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●『真珠の涙にくちづけて』キャサリン・コールター

●『真珠の涙にくちづけて』キャサリン・コールター(二見文庫)
 ウィンダム伯爵の愛人の娘として生まれた彼女は、9歳の時、いとこのマーカスから“妃殿下”というあだ名をつけられた。それから9年後伯爵は亡くなり、自分の生活に満足していたマーカスが貴族の責任を負うことになる。成長した妃殿下は、その名にふさわしい美貌と気品を身につけ周囲の人々を魅了していたが、父親の死後、どのように生活をしていたのかマーカスに明かそうとはしなかった。("The Wyndham Legacy" by Catherine Coulter, 1994)
・〈レガシー〉シリーズ第1作



 半分までは超面白かった!
 後半もつまらないわけではないのですが、前半が面白すぎたかなあ(´・ω・`)。
 たまにあるよね、コールター作品でこういう「途中まではいいんだけど……」「ここで終われば傑作」みたいなのが。しかも今回のは長いから、余計に惜しい。
 で、何が前半そんなに面白かったかというと、

「ヒーローのいじめっ子ぶり」

 ですよ。もう完全に好きな子をいじめる小学生そのもの。初めて二人が逢った時は14歳と9歳だったのですが、その頃と全然変わらない。ヒロインは成長しているのに、ヒーローはいじめっ子のまま。好きなくせにいじめて、気に食わない態度を取られてさらにいじめて──のくり返し。虚しくならないのか(´д`;)……。
 ヒロインは“妃殿下”というあだ名(本名はジョゼフィーナ)のとおり、言葉少なの女王然とした冷静な態度を彼に取り続ける。と見せかけて、実際は好きな男に口汚く罵られて、固まっているだけなのです。ヒーローは全然気づかないから、ずっとイライラして怒っているだけ。アホですね(´∀`;)。
 しかし私、こういう状況かなり萌えるのです(´Д`*)。もうヒーローひどい(実際徹底的にひどいこと言いまくる)、ひどいけどそれによってさらに追い詰められてどん底に落ちてしまえばいいのよ! と燃えもする。ヒロインによる巻き返しがクライマックスだとなおもよし!
 ダイアナ・パーマーのヒーローもひどいけど、コールターの作品は甘さ控えめなので、最後までいじめっ子のままです。反省しても、性格はそう簡単に変わらない(^^;)。
 けど、今作では半分ほどでヒロインがキレてしまう。

「えっ、まだこんなにあるのにキレちゃったよ!(゚Д゚)」

 そこでちょっと不安になった。ちょっと早過ぎない?
 そしたら後半は、シリーズタイトルどおりの「レガシー(遺産)」──ウィンダム家の隠された財宝とヒロインの命を狙う犯人探しにシフトしていってしまった。
 ここも決してつまらなくはなかったのですよ。アメリカからやってきたいとこ家族母親などは、コールターじゃなきゃ書けないマジキチぶり。ヒロインとヒーローの従者たちの漫才のようなやりとりや、襲われたヒロインに群がる従者メイド夫の心配ぶり、ヒーロー母や友人など個性的な面々の描き方の楽しさ──いいところもたくさんあるんですが、いかんせん小説としてのまとまりに欠ける。
 だって、財宝探しとか犯人探しとか、正直いまいちだったんですもの(´・ω・`)。せめて前半と後半が剥離しないように、ヒロインがキレるのをもうちょい後ろにしてくれたらなあ。
 ヒロインのガス抜きとして、秘密のお仕事がもっと作用していたらよかったかもしれない。
 あと気づいたけど、コールター作品はヒロインの流産率が高い。これも地雷の一つになるんだろうか?
(★★★☆)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : ヒストリカル 二見文庫 ★★★☆ シリーズ

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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