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2012 · 10 · 30 (Tue) 14:12

◆『引き裂かれた一夜』サラ・クレイヴン

◆『引き裂かれた一夜』サラ・クレイヴン(ハーレクイン)
 キャリーは目を疑った。仕事で訪れた地区再開発の説明会で、夫ニックと鉢合わせたのだ。彼の浮気現場を目撃した結婚式当日から一年、キャリーはずっと夫から逃げていた。だが、彼は機会をうかがっていただけだった。ニックは、再開発を止めてほしければ家に戻り、跡継ぎを生めと迫る。("His Wedding-Night Heir" by Sara Craven, 2005)

 鈍感なヒーローと想像力過多なヒロインとのすれ違い元サヤもの。
 ヒロインが結婚式当日、ヒーローにちゃんと確かめないまま家出したのはイカンと思うのですが、それも無理ないというような状況ではあった。両親はすでに亡く、祖父と二人暮らしの家が火事で焼け落ち、一人残された彼女には祖父の借金が──とかなり追い詰められていた。そこにヒーローからのプロポーズだったんだけど、このニブチンはヒロインとの結婚にウッキウキのお花畑状態。
 だいたいプロポーズの前に本人ではなく祖父に確認とるなんて、いつの時代の話ですか?(´д`;) しかも反対されてヘコむなんて、どれだけ自信たっぷりだったんだよ。なんかこのヒーロー、「よかれと思って」とか「彼女のために」とかやったことが、ことごとく裏目に出てるんだよね。
 お屋敷に図々しく居座る前家主の未亡人をほっとくのもダメだが(「そこまでひどいと思わなかった」みたいに(´ω`;))、一番ダメなのは異母妹(美人)を近くに住まわせていて、それをヒロインに言わなかったこと。ていうか、誰にも内緒にしていたこと。
 それでちょくちょく会ってれば、近所の噂になるだろうよ。根性悪な未亡人から吹き込まれなくても、結婚式前に耳にする危険性だってあったはず。プロポーズしたすぐあとに言うべきだったよね。それから、ただでさえ心労を負っているヒロインを不快にしそうな人間は念のために遠ざける! 金ならあるんだから!
 ──と言っても、思いつかなきゃやるわけない(´ω`;)。だからこいつはやらなくて、そのせいで結婚式の夜、嫁に逃げられるはめにおちいる。
 何も言わずに初夜に嫁を放って、別の女(妹だけど)の元へ駆けつけるのってバカ以外の何者でもないよね。行く前に「実は妹がいて」と言えよ(゚Д゚)! そこで言わないでどこで言うんだよ!
 お互いに関してはしょうがないけど、妹を巻き込んじゃうとは思い至らなかったのか。ヒロインも彼女に言わなくてもいいこと、たくさん言っちゃってたし。
 このようにどうしようもなく抜け作なのです。お花畑状態だというのを差し引いても、物事を軽く考えすぎ。30歳なのに。
 でも彼の一番鈍いところは、自分が抜け作だと気づいていないことだ。
 十数年後にこの話を聞いた息子か娘から、

「それって全部パパのせいじゃん」

 と言われて初めて気づくことを予言。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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