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2012 · 11 · 07 (Wed) 19:32

●『魅惑の花嫁』スーザン・マレリー

●『魅惑の花嫁』スーザン・マレリー(ハーレクイン)
 1875年、コロラド州。元教師のエミリーは、酒場の経営者ルーカスから思いがけない取引を持ちかけられた。彼は伯父からの遺産相続の条件として、結婚をしなければならない。エミリーは酒場の二階にホテルを開きたいと思っているので、そのかわりに便宜上の結婚をしないか、と──。("Lucas's Convenient Bride" by Susan Mallery, 2001)
・アンソロジー『ウエディング・ストーリー2007 愛は永遠に』

 南北戦争後のアメリカが舞台です。
 ヒロインは、女性のための学校を開きたいという夢がある。そのためお金を稼ぎたいんだけど、町には子供がいなくなって、教師として働けなくなってしまった。そこで彼女は、ヒーローの酒場の二階が空いているのに目をつけ、ホテルをやろう思い立ちます。
 ヒロインはとても真面目で身持ちが堅いんだけど、融通が利かないわけではなく、むしろ柔軟。彼女の無垢さや性格の良さを表している場面は、自分の借りていた部屋の向かい側にある家に出入りするきれいな女性たちをあこがれの目で見ていて、そこが売春宿と知ってもその気持ちが変わらなかったこと。自分が、よくも悪くもとても正直だということを自覚している人です。
 本当は男に生まれて、父の仕事を継げていたら──という過去を持ちながら、教師としても、勉強したいと思っている人を教えたいという、真っ当な信念を持っている。
 そんなヒロインにヒーローは惹かれていきますが、彼は「戦争で卑怯なことをしてしまった」と苦しみ、「自分を幸せになってはいけないんだ」と思い込んでしまっている。
 割とこの手のヒーローの傷も、ロマンス小説では定番なものだけど、なかなか根の深い問題なので、短いと少しあっけない印象が残ってしまいます。前半がなかなかよかったし、脇役のキャラたちが魅力的だっただけに、ちょっともったいなかったなあ。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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